不祥事が発覚した場合のマスコミ対応の重要性

会社の不祥事が発覚した場合,社内外の人間が様々なことを言い,社内の方は何をどうすれば良いのか,お困りのことと思います。

不祥事対応においては,特に初動が物事を大きく左右しますし,そもそも不祥事が生じた場合にどうするのか,の仕組みを作っておくことが大切です。

ここでは,不正やミスが発覚した場合のマスコミ対応についてお話します

不祥事が発覚した場合のマスコミ対応の重要性

企業活動は,多かれ少なかれ人の手によって支えられているものであり,人の手が介在する以上は,それが故意であれ過失であれ,不正やミスを完全に防ぐことは困難です。

だからこそ,日頃から,不正やミスが発覚した場合に備えて危機管理体制を構築しておくことが必要です。

 

例えば,スーパーマーケットを経営するある会社で,一部の店舗が表示を改ざんして賞味期限の切れた商品を販売しているという不祥事が,SNSなどでメディアにリークされたとします。

このメディアは,この不祥事がスクープだと判断し,直ちにこの会社の本社や当該店舗に連絡し,実際に賞味期限が切れた商品を販売していたのかを問い合わせることでしょう。

このとき,本社において,この不祥事を把握していなければ,経営陣として「そのような事実はありません」と回答してしまうかもしれません。

他方で,当該店舗の店長や従業員は,現場にいるわけですから,「賞味期限切れの商品を販売していました」と正直に回答することがありえます。

このように,不祥事が外部に発覚した直後に,経営陣と現場とでメディアに異なるメッセージを発してしまうことが往々にしてあります。

その場合,現場の情報が速やかに本社の上層部に伝達されておらず,危機管理の体勢が整っていないことを露呈する結果となり,「この会社は安全管理の体制も整っていないのではないか」という印象を与え,消費者や取引先からの信頼を失うことになりかねません。

このように,不祥事が発覚した直後の初動対応は,企業のレピュテーション(社会的信用)を維持するために極めて重要です。

 

初動対応においてするべきこと

前述のとおり,不祥事が外部に発覚した直後に,経営陣と現場とでメディアに異なるメッセージを発してしまうことがあります。

このような事態になるのを回避するため,不祥事の情報に接した際には,まずは事実関係を正確に把握する必要があります。

経営陣としては,情報の収集と集約に努めるとともに,メディア対応の責任者を決めて,その責任者において一元的にメディア対応を行わせる必要があるでしょう(経営陣としては,自らが不祥事を把握していないからといって,事実確認することなく安易に「そのような事実はない」などと回答することは差し控えるべきです)。

その上で,把握できた事実関係を基礎として,緊急的にどのような対応をとるのか(前述の一例で言えば,全商品の賞味期限をチェックし直すなど)を決定し,更に再発防止のためにどのような措置をとるのかなどを発信していくことが望ましいでしょう。

 

あらかじめ危機管理体制を整備しておくこと

不祥事が発覚した場合,何らの心構えも事前準備もなく前述のような対応をとることは極めて困難です。

そのため,実際に不祥事が発覚した場合に備えて,メディア対応の責任者や情報収集・集約に当たる担当者を決めておいたり,事実関係の確認ができるまでは現場が勝手にメディアに情報発信しないようルールを決めたりするなど,あらかじめ危機管理体制を構築しておくことが重要です。

その上で,防災訓練と同じようなイメージで,実際に不祥事が発生した場合のシミュレーション・ロールプレイングを行っておくことも有用でしょう。

 

不正調査について

実際に不祥事が発覚し,緊急的な対応をとることができた場合には,その不祥事に関する詳細な事実関係(例えば,不祥事が始まった時期や経緯・動機,不祥事の発生件数・関与者数などの規模感,不祥事が消費者に与える影響など)を調査する必要があります。

そして,明らかになった事実関係を基礎として,当該不祥事が起きた原因(例えば,在庫廃棄が許されない売上重視の企業風土,上司の指示に逆らえない職場環境,従業員単独での手入力による商品管理体制など)を徹底的に分析し,再発防止策を策定する必要し,場合によっては,関係者を処分する必要があります。

こうした事実関係の調査や原因分析・再発防止策の策定は,もちろん企業内部で行うことも可能ではありますが,より中立的・客観的な立場にある外部弁護士等に依頼するほうが社会からの信頼を回復しやすいといえるでしょう。

 

元検事率いる弁護士チームができること

不正調査を実施するに当たっては,帳簿・商品管理データ・メールなど企業内に保管されている客観的な資料を分析した上で,従業員・店長・経営陣から事実関係を聴取する必要があります。

不祥事が発生した場合には,例えば,従業員と従業員,従業員と店長など責任を免れようとして相互に話が食い違うこともあり,その場合には,客観的な証拠や第三者の証言に基づいて,どちらが真実を述べているのかを確定する必要があります。

弊所の弁護士は,元検事としての経験がありますので,仮に関係者相互の供述が食い違っていたとしても,客観的な証拠の分析や第三者のヒアリングなどによって,どちらが真実を述べているのかを判断するなど,適正な事実認定を行う自信があります。

また,弊所では,実際に不祥事対応・不正調査を行った経験から,依頼者の企業様の実情に応じて,個別具体的に構築すべき危機管理体制をご案内することもできます。

これから不正調査を実施する必要があるがどこに相談したらよいかわからない,もし不祥事が発生してしまったらどうすればよいのかわからないなど,お困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。

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2022年2月17日